現代の世の中、殺人、いじめ、虐待、パワハラ、DVなど・・・いろいろな事件や問題が毎日のようにニュースに流れています。
また、現代は『ストレス社会』と言われ、自殺、うつ病、引きこもり、不安障害、アダルトチルドレン、AC(順応な子供)などの問題も世の中に非常に多く存在しています。
いつまでも、これらの問題はなくならないのでしょうか・・・?
世の中で起こっているこれらの問題は、いろいろな要因があるとは思いますが、全て『人の心』が関係しているとぼくは思います。
そのためには、人達の心を社会に適合させ、より良い人間関係を築いて、ストレスの多いこの世の中でも、対応していける術を身に付けていく『心理教育』が必要であると、ぼくは思います。
本当は国が動いていかなければならない問題だと思いますが、国はその部分について、あまり考えず、ほとんど対応をしていないように、ぼくは感じます。
私達は、小学校、中学校で義務教育を受けます。
その後、今の時代は高校に進学される方が多いと思います。
さらにその後、専門学校や短大、大学に進学される方もいらっしゃいます。
今では、小学校でも英語を学びますので、義務教育では、国語、算数(数学)、社会、理科、英語などを習います。
高校でも普通科にいけば、国語、数学、社会、理科、英語などを習いますよね。
ただ、皆様は学校で『心についての授業』を受けたことはございますか?
たしかに、『道徳』という授業はありますよね。
ぼくの時代は、週1回でしたが・・・
大学までいけば、『心理学』を学べる学校もあります。
しかし、何故、『人の心』が関係している事件や問題が多い、今の世の中で、義務教育である小学校や中学校、今では、ほとんどの人が進学する高校で『心の授業』は、ほとんどおこなわれないのでしょうか?
学校では、社会に出た時、会社に入って仕事をしていくための手段としての授業をしています。
でも、人が生きていくための一番大事なエネルギー源である『心の授業』はほとんどおこなっておりません。
『手段の目的化』になっているように、ぼくは感じます。
『心』が『人が生きていくためのエネルギーの源』であり、『人は幸せになるために生まれてきた』のであれば、『心の時代』と言われる現代では、『心理的教育』は『必要不可欠』なものであり、まず最初に学んでいくべきなのではないかと、ぼくは考えます。
ぼくは、『義務教育の必修科目』にしても良いと考えます。
子供たちが、『心理教育』を受け、『人の心』について、いろいろ想像し、議論をする授業が必要なのではないかと思っています。
本当は、国がもっと人の心の問題について議論し、しっかりと対応してくれればいいのですが・・・
ぼくは、一人でも多くの人達に『心理学』に興味を持ってもらいたいと思っています。
その理由は、『心理学』を学ぶことにより、人の心を想像する想像力が養われていくからです。
しかし、学校では、心の勉強を教えてはいません。
では、どうしたらいいか・・・
ぼくは、今の子どもたちは、『物質的な豊かさ』よりも『心理的な豊かさ』を求めるようになってきたと感じています。
一昔前は、大人になったら、いい会社に入って、いっぱい仕事して、いい車に乗る・・・お父さん、お母さんの時代は、そんな感じの時代だったのではないかと思います。
でも、今の若者たちは、車を持つことに、あまり興味を持っていない人が多くなってきたように思われます。
たしかに、車を持っていなくても、いい車に乗らなくても、生きていくことはできますからね・・・
それよりも、今の子どもたちは、『物に対する興味』よりも、『自分自身の心に対する興味』の方が強くなってきたのではないかと思います。
今の日本は、学校のカリキュラムに沿って、勉強しています。
それらの学習は、確かに、子ども達が大人になり、会社に入ったり、仕事をするようになった時、役に立つでしょう。
しかし、子ども達は、それで『幸せな人生』をおくることができるのでしょうか?
人は、人間関係を築き上げるにしろ、会社で仕事をするにしろ、苦難を頑張って乗り切っていくにしろ、何をするにも『心のエネルギー』を使って生きていくことになります。
ですが、今の子ども達は、『心のエネルギーを作り上げていく方法』、『心を上手にコントロールする方法』、『良好な人間関係を築いていく方法』を学んでいないのです。
今の日本で勉強していることは、会社に入ったり、仕事をするようになった時など、仕事で使うための知識という『狭い範囲での知識』しか学んでおらず、本当に大事な『幸せになるための知識』は学んでいないのです。
しかし、今の世の中は、学校のカリキュラムに沿った勉強だけを必死になってやっているように思われます。
それは、『手段の目的化』になっていないでしょうか?
子どもは、いつか、大人になって、お父さん、お母さんの下を巣立っていきます。
子どもは、いつか、お父さん、お母さんの手の届かない世界、お父さん、お母さんの知らない世界に巣立っていくのです。
子どものことが可愛くない親は、ほとんどいないでしょう。
しかし、子どもが可愛いあまりに共依存の状態になっていないでしょうか?
つまり、子どもに、お父さん、お母さんがいないと生きていけない、そのようなイメージを子どもに与えてはいないでしょうか?
子どもが、自分たちから離れていかない様に、子どもには、親がいなければ生きていけないということを無意識のうちに刷り込んでいないでしょうか?
親が先回りをして、子どもにすぐに答えを与えてしまってはいないでしょうか?
子どもに自分で考えさせ、自発的に行動するように教育をしていますか?
子どもは、いつか、大人になって、お父さん、お母さんの下を巣立っていきます。
子どもは、いつか、お父さん、お母さんの手の届かない世界、お父さん、お母さんの知らない世界に巣立っていくのです。
今までの日本は、しっかりと学校の勉強をして、しっかりとした大きな会社に入ることを目指すことが、一般的な考え方だったと思います。
しかし、現代では、既に終身雇用は崩壊していて、大きな会社に入ったからといって、定年まで安心した収入が得られるという保証は、はっきり言ってもうありません。
これは、ぼくの個人的な経験によるものですが、ぼくは新卒で大会社と呼ばれる会社に入社しました。
そこで受けた大会社の印象は、とても無機質なシステムで動いていて、人情というものがとても無力なもので、人情により個人が助けられることはないという印象を受けました。
現に今は、日本の企業は、韓国や中国、台湾などの経済の発展により、世界のトップ日本という立場ではなくなってしまいました。
なので、大企業と呼ばれる日本の企業でも、経済的な余裕はなく、何千人というリストラを平気でおこなう世の中となってしまいました。
また、大企業で働く社員の過労死や過労による自殺なども実際に起こりうることだと思っております。
決して、大きな会社に入ったからと言って、お父さん、お母さんの代わりに、子どもを守ってくれるという訳ではないのです。
大きな会社、小さな会社に限らず、社会に出るということは、お父さん、お母さんの手の届かない世界、お父さん、お母さんの知らない世界に入っていくということなのです。
例えば、お父さん、お母さんが子どもに工業系の大企業に入れば、将来は安心できるであろうと考え、子どもは昔から好きなことが絵を描くことだったため、イラストレーターになるという夢がありましたが、無理に説得して、工業系の高校、工業系の大学に入るように子どもに勧めて、子どもはそれに従い、工業系の勉学に励むために、いろいろな夢や欲求を押さえ、必死で勉強して、工業系の大企業に入ることができたとします。
しかし、その企業は世の中の情勢の変化などにより、経営状態が悪くなり、大規模のリストラをおこなうことになり、わが子が、そのリストラにあったとします。
その後、子どもは、自分のスキルを活かせる仕事を一生懸命に探しますが、自分のスキルを活かせられるような仕事を見つけることができなかったらどうなるでしょう。
工業系の大企業に入ることだけを目指して、親に言われた言葉だけを信じて、それだけに集中して頑張ってきた子どもは、これから自分はどうしたらいいのか途方に暮れるのではないでしょうか?
それどころか、工業系の大企業に入ることだけが、自分が幸せになる方法だと教えられ、それを受動的に生きてきた子どもは、もしかしたら、お父さん、お母さんを強く恨むことにもなりかねません。
そうならないようにするためには、『子どもの自主性を尊重すること』、そのような逆境に遭っても対応することができる『心理的な術』を教えておく必要があったのではないでしょうか?
子どもが大人になり、社会に出た時、子どもはどんな会社に入ったのか、その会社はどのような環境なのか、そこにいない、お父さん、お母さんは、その詳細について知ることはできないのです。
子どもは、大人になると、お父さん、お母さんの手の届かない世界、お父さん、お母さんの知らない世界にいくことになるのです。
親は子どもの一生の面倒を見ることはできません。
子どもは、逆境や苦難に遭った時に、自分で考え、自分の心をコントロールして、自分自身の価値観や信念で判断し、自分自身で行動して、その逆境や苦難を乗り越えていかなければならないのです。
何をするにも人間は、『心のエネルギー』を使って、行動していきます。
『心が全ての基本』なのです。
そのためには、できるだけ早いうちに『心について学ぶこと』、つまり、『心理教育』が必要なのです。
お父さん、お母さん、『心理教育』により『子どもの自主性を養っていくこと』、『子どもの心を養っていくこと』を考えていくことが必要な時代になったのではないでしょうか?