私達人間は、自分流の主観的な意味付けを通して物事を把握します(『認知論』)。
そして、自分自身や世界(人生・他者など)に対するその人特有の物の見方・考え方・価値観のことを『私的論理(プライベート・ロジック)』といいます。
この『私的論理(プライベート・ロジック)』の中でも、特にゆがんだ発想をして、自分自身も生きにくく、周囲の人達との間でも摩擦が生じてしまうような考えを『ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)』といいます。
『ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)』には、決めつけ、誇張、見落とし、過度の一般化、誤った価値観の5種類があります。
『ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)』に陥らないためには、以上の5つに対して、自分自身を観察し、対策を立てて置くと良いことになります。
それでは、自分自身に当てはめながら、一緒に考えていきましょう!!
5つの『ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)』の説明と『自分自身の観察方法』と『対策の立て方』
①決めつけ
可能性に過ぎないものを自分で勝手に決めつけてしまうこと。
自分自身の観察方法
- よく確認しないで思い込んでいることはないか?
- 人のうわさ話をそのまま信じていないか?
- 相手からきちんと話を聞いているか?
- まだ結果が分からないことを、先に決めてしまっていないか?
- 焦りがあり、冷静さを欠いていないか?
対策の立て方
- 確認するべきことはないか、洗い出しする。
- 人の話は捻じ曲がるもの、自分自身でしっかり確認する。
- 何かあった場合は、相手から必ず話を聞くことにする。
- 想像は想像にすぎない。結果の出ていないものは、楽観的に考える。
- 焦りがあると、思い込みも起こりやすくなり、さらに、焦りの感情が高ぶって、早とちりしやすくなる。呼吸を深く、落ち着いた行動をとり、冷静になろう。
②誇張
物事を大げさに捉えたり、表現すること。
これには、大きく2種類の場合があると思います。
- 自信がない人の場合:「どうせ全てうまくいかないんだ」
- 自信過剰の人の場合:「私がやれば全てうまくいくわ」
自分自身の観察方法
- 自分は自信がないタイプか?自信過剰タイプか?
- 誇張になってしまうのは0か100かで物事を考えるから。自分は30や50で考えることもできているか?
対策の立て方
- 自信がないタイプの人は、自分の良い所を探していくようにしましょう。
- 自信過剰なタイプの人は、謙虚さと他者を認める努力をしましょう。
- 全て0か100はほとんどない。実際の状態を冷静に捉えましょう。
③見落とし
ある部分だけを切り取って、大事な側面を見落とすこと
自分自身の観察方法
- 決めつけがあると見落とししがちになる。自分はいつも同じようなものの見方、考え方をしていないか?
対策の立て方
- 違う視点で物事を見てみたり、他者の考えをまねて実践して見る。
④過度の一般化
何か一部うまくいかないことがあると、別のこともうまくいかないと思い込むこと。
自分自身の観察方法
- 最初から「どうせ、次もうまくいかないんだ」などのように考えることにより、実際に良くないことが起きた時のショックを小さくしようとして行われる場合が多い。
- ただ、それによって、総体的に精神的ダメージが大きくなっていないか?
対策の立て方
- うまくいった時のことを想像し、良くなかった出来事には注目しない。
⑤誤った価値観
自分が無価値で「自分には生きる価値がない」などと自滅的に捉えること。
自分自身の観察方法
- 何か失敗などした時に、それと結びつけて「自分は生きる価値がない」と考えてしまう人がしてしまうミステイク。自分は、すぐにそのように結びつけていないか?
対策の立て方
- 例えば、失敗をしたからといって生きる価値がないか理論的、冷静的に考えてみよう。
- 過去ではなく、未来に目を向けよう
札幌『カウンセリング こころの相談所』心理カウンセラーからのご案内
5つの『ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)』はよく起こることであり、札幌『カウンセリング こころの相談所』では相談者様が心の問題をあやまって捉えている可能性がないか、もっと適応的に捉えなおせないかを考えなおしていき、カウンセリングをおこなっていきます。